Micheal Brown教授は、今や「第十惑星」ともてはやされる天体「2003 UB313」の発見者だ。彼の発見が契機となり、国際天文学連合(IAU)の総会で「惑星の新定義」がまさに議論されている最中だが、Brown教授の反応は意外なものだ。原案に真っ向から反対し、「惑星は(冥王星を除く)8個でもいい」とさえ言い切っている。
もし、今月16日にIAUに提出された原案がそのまま可決されたら、もっとも名誉を得るのはカリフォルニア工科大学のMicheal Brown教授だろう。彼が冥王星よりも大きな天体・2003 UB313を発見したことで「惑星を正式に定義しよう」という機運が高まったのだし、原案が可決されれば、彼は現在世界に2人しか存命しない「惑星の発見者」となる(もう1人は、現在冥王星の衛星とされている「カロン」の発見者、James W. Christy氏だ)。
その上、Brown教授が自身でまとめたところによれば、「自身の重力によってほぼ丸い形をしている」という新定義にあてはまりそうな天体を2003 UB313以外に14個も発見している。惑星を15個も発見したとなれば、天文学者にとってはたいへんな栄誉となるだろう。
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しかし、Brown教授はIAUの原案に賛成しない。その理由は、まさに彼自身の業績が示すように、惑星が多くなりすぎるからだ。このままでは「惑星」として認められる天体が53個にものぼる可能性を指摘した上で、彼はこう主張する。
「結果として、『惑星』という学術用語と『惑星』という文化的な用語は分離することになるでしょう。学校で53個の惑星の名前を覚えさせようなんて誰も思わないでしょうし、そもそも53個の大部分は現在正式な名前すらないのです」
彼の考えるもっとも現実的な案は、「冥王星よりも大きければ新惑星とする」というものだ。その場合、新しく惑星と認められるのは彼が発見した2003 UB313だけになる。だが、それは何も栄誉を独り占めしたいからではなく、「大衆が惑星について持っているイメージにもっとも近いから」だ。
「『惑星』を定義するのは大衆に任せればいいでしょう。天文学者は本業である科学への取り組みに戻るべきです」
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惑星の定義に関しては、他にも「現状を維持して9つに」や「冥王星を減らして8つに」という選択肢もある。Brown教授は「現状を維持することは、冥王星で太陽系が終わりだという間違ったイメージを与えることになる」と述べて現状維持案には反対する。その上で、「過去にセレスは惑星と言われたが、似たような天体が発見されたので"asteroid"(小惑星)と呼ばれるようになった」という歴史に触れて、こう続けている。
「IAUは当時の学者たちと同じように、英断するべきです。やがて誰もが新定義を受け入れるでしょうし、科学は自らの過ちを直すことができることを大衆に示すチャンスとさえ言えます」
言うまでもなく、Brown教授が発見した2003 UB313も惑星ではなくなる。しかし、覚悟はできているという。
「科学的な定義は感情ではなく科学に基づいて決めなければいけません。(2003 UB313を外すのは)良い選択ではないですか。第十惑星の発見者となるチャンスを失うのは悲しいことですが、克服できます」
どうしてIAUは8個という原案を示さなかったのだろう。
「天文学者は、他の人と同じくらい感情的で、冥王星を外すことに我慢できなかったのではないでしょうか。そしてそれに続く批判にも、我慢できないと思ったのでしょう」
やはりBrown教授はIAUの案に反対票を投じるのだろうか。「科学的には問題ないとしても、科学以外の面で問題がありすぎる」としつつも、彼は投票できない。皮肉にも、彼はIAUの会員ではないのだ。
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